慶應のクマムシグループは、神奈川県藤沢市と、山形県鶴岡市の二カ所に拠点があります。

山形県に慶應大学?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。日本では主要な大学が大都市に集中していますが、アメリカなどでは地方にもさまざまな分野における最先端を担う大学が、うまい具合に分散して存在しています。慶應大学もそんな多様で強い日本の教育を創るべく、21世紀のまさに初頭である2001年に山形県鶴岡市に慶應義塾大学先端生命科学研究所を設立し、最先端の生命科学を推進しています。

当研究所のメインの建物の写真をご覧ください。

なかなか立派な建物ですが、周囲が水に囲まれているのがわかるでしょうか?実はこれ、お堀なのです。そう、山形県と鶴岡市のご厚意により、鶴ヶ岡城跡地の一角であり、鶴岡市の一等地とも言える場所に研究所があるのです。本当にありがたいことで、私たちも鶴岡発・世界一の研究成果を多く出していけるよう日夜頑張っています。

ちなみに鶴岡市ですが、日本で初めてユネスコに食文化を認められた、「おいしい」ものがたくさんの素敵な街です。よろしければ次のバカンスのご予定に是非。

早速ですが、今回まずは鶴岡側のラボで飼育しているクマムシたちをご紹介します。

 

1. ヨコヅナクマムシ(Ramazzottius varieornatus

クマムシ博士こと堀川さんが札幌で発見した、その名の通り、クマムシのチャンピオンとも言える強さを誇ります。茶色に色づいていて、一本だけ長く伸びた爪がチャームポイント。

でも、極限環境耐性は強いわりに、あまり増えず、飼育時の環境の変化にはとってもデリケートで、実は飼うのは比較的大変だったりします。

 

2. ドゥジャルダンヤマクマムシ(Hypsibius dujardini

イギリスのSciento社から購入したクマムシ。半透明で、眼点が見えるのが可愛らしい。

このクマムシは乾燥耐性がほとんどないかわりに、非常に良く増えます。なので飼育はかなり楽な種です。

ヨコヅナクマムシとドゥジャルダンヤマクマムシは、荒川が監修したぬいぐるみもありますよ!

 

3. Acutuncus antarcticus

これはレアなクマムシです。ソーシャルカードゲームで言うならSRかSSRくらい?!

なんと、このクマムシは、南極の昭和基地周辺で採取された個体を継代飼育しているものなのです!

こちらもほぼ透明で、見た目的にはドゥジャルダンヤマクマムシに似ています。でも、南極生まれなだけあって、他のクマムシよりも大分寒い環境で飼育しています。

 

これら3種類のクマムシを鶴岡の研究室では飼育していますが、全部それなりに似ていることに気がつきましたか?

そうなのです、これらは全て、ヤマクマムシ科(Hypsibiidae)という同じ科に属するクマムシたちで、それぞれ違う乾燥耐性能力を持っています。なので、乾燥耐性や極限環境耐性を調べるために比較する上で都合が良いのです。

さらに、温度などの細かい条件は違いますが、3種とも飲み物はVolvicです。

また、クロレラ(クロレラ工業株式会社の生クロレラV-12)を食べて生活しています。

なぜかヤマクマムシ科のクマムシはこの二つのブランドを好んで食べるのです。クマムシはグルメなんですね。

 

これらのクマムシの飼育の様子を、これから少しずつお伝えしていきますね。

 

口絵1A

こんにちは、クマムシ博士(堀川大樹)です。本日からこのクマムシ日記をスタートすることになりました。

口絵8

クマムシ日記は慶応義塾大学クマムシグループのメンバーが、研究室内の日々のクマムシのようすや、クマムシにまつわるあれこれについて書き綴っていきます。

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